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メンター通信 第48号

発行日2007.12.25

ディズニーランドより行きたくなる会社

11月初めに、母校鈴鹿高専の集まりがありました。
総会が始まる直前に、先輩の太陽化学加藤さんが隣に座られ
「今度伊那食品さんへ、行くんやな。」と声を掛けてくださいました。お話をお聞きして、びっくりです。
塚越会長をご存知だったのです。さらに伊那食品さんへ行く前日に、黒田モーター商会の黒田社長が、伊那食品の井上社長と懇意にされていることが分かりました。
思い起こせば、半年前です。平松産業の平松社長から「伊那食品」という名前を聞いたのは、それからタニサケ松岡会長、フジゲン横内会長に相談し、遂に塚越会長との面談に漕ぎ着けました。

面談は12月4日の9時から始まりました。
私は、平松さんをはじめ、浪花電機伊藤さん、堀製麺堀さん、若松屋美濃さん、そして長谷川シャッター工業長谷川さんと6名で会議室に通されました。
その会議室が素晴らしい。とにかく綺麗、掃除がしっかり行き届いていて、もしかしたら建設当時より綺麗じゃないかと思うほどです。そして窓からの眺めが、本当によかったです。
なんでも、窓を絵画のようにイメージして設計したとか。
「こんな施設で、仕事をしてみたいなぁ」そんな気持ちになりました。
時間になって、塚越会長が会議室に入ってこられました。
名刺交換をした後、直ぐに会長は机の位置を少し前に出され、ざっくばらんに行きましょう。とおっしゃられたので、私はすっかりリラックスすることができました。
そして、「私もね、一杯手紙を貰いましてね。全部会っていると大変なんですよ」
私はそれ以上お聞きしませんでしたが、感謝すると同時に、恐縮してしまいました。そうですよね。
どこの馬の骨かも分からないものが、6人も押しかけきているのに、時間を取って話をするのですから、私にはとても出来ません。
会長は、世界的な大きな会社になろうとしているのか。小さいところでいい会社にしていくのか。想いをはっきりしておく必要があるという話から、始めてくださいました。
私はこの言葉をお伺いして、自分の分を考え自分のやり方を決めることだと痛感しました。
ランチェスター戦略で言えば、強者の戦略で行くか、弱者の戦略で行くかを明確にするということです。
そのお蔭で、その後の塚越会長の話が、小さい会社の経営戦略を中心に考えていると判り、益々話しに引き込まれてしまいました。
いきなり、会長は本音トークに入ってきました。
「創業まもなく規模が小さく余裕がないときは、理念の確立なんかよりも、兎に角儲けなければなにもならない。人の何倍も働いて、余裕が出来てから、理念だとかそういうものを考えればいい。
そういうことが、この本には、書いてないだろう。(笑)

一生懸命働いていたら、そこから理念なんていうのは、出来てきますよ。」
ランチェスター経営の竹田先生も、5期連続で黒字にしてから経営理念を考えればいい。
赤字続きで、ヘタクソな経営をしているものが人の真似をして作っても意味がない。というようなことを言われていましたね。
でも無いよりは、在った方がいいですね。
さらに話は続き、そこで全員がびっくりする言葉が飛び出しました。
朝礼で今朝はなされたことを話してくださいました。
「いいものを作るとか、会社を衛生的にするとか。仕入先を大切にするとか。お客様と大切にする。社員を大切にするとか。会社経営で省エネする。こんなことは議論の余地がない。コンプライアンスなんか。人間として当たり前のことですよ。
その当たり前のことが出来なくなっているだけなんだ。
その当たり前のことを議論していることがある。当たり前のことを、やればいい。」
「皆でいい会社をつくるのは、当たり前なんだ!」
これを聞いて、情けなくなりました。
私は、なんて低いレベルなんだろう。
経営戦略の話もしてくださいました。
これまた圧巻でした。
かんてんブームが来たときです。会長は社員さんにこう言ったそうです。
「最大の危機が来たぞ!」
自分の力で、成長した(ここでいう成長は単に数字が上がったというだけですが)のと、ブームに乗って他人の力で成長したのでは全く違います。
私は、昨年と一昨年業績はまあまあでした。
しかし今年度の目標を作るときに、「これは本当の実力なんだろうか」とよくよく考えてみると、自分が打った対策ではない部分の粗利益が多いのです。
そこで目標は対前年の実績より落としました。調子に乗るな!ということです。(これも弱者の戦略)
特に私のような仕事は、多くのクライアントがいるより、長く付き合うことが出来ているクライアントがいることの方が、信頼があるということになります。
会長の話を伺って、改めてそれを感じました。
会長はファン作りを大切にしなさいとおっしゃいます。
ブームのときだけ、もてはやすミーハーではなく信者作りをしなければなりません。
そこまでやるには、少しずつしか成長しないものうなずけます。
たまたま前日ホテルで復習していたランチェスター戦略の教材で学んだ「地域拡大の方法は、波紋型で少しずつ拡大した方が成功する」というくだりと合致して、塚越会長の話が理論的にも理解ができました。
もうひとつ心に残ったのは、経常利益が10%上がる仕組みになっている。だから数値目標は設定していないということです。
どんな仕組みなのか。60分の面談の中では、お聞きすることが出来ませんでしたが、例えば開発型企業にしてきたこともその一つだと思います。
無理にお客さんを増やすのではなく、お客さんの要望を気長に聞きだし、新しい用途開発をする方法です。
20年ぐらい経ったとき、開発型へ移行しようと思われたそうです。
商品開発をするのも、理にかなったやり方をしていました。

小さい会社がよくする失敗で、商品開発を兼任でさせてしまうことがあります。
専任と言っても、いつの間にか、雑件係になってしまうことがあります。
塚越会長は、その辺りは明確に切り分けされ、専任で人を確保されたそうです。
これまた、ランチェスター経営竹田先生が教材で言っていたことです。
こんな話を60分お聞かせ頂き、感じたのは塚越会長は戦略能力も高く、さらに人間的に素晴らしい。理想的な経営者だと改めて感じました。
私が驚いたことは、その後の会社見学の中にもありました。
1時間の貴重な時間が終わり、秘書の宮下さんが会社を案内してくださいました。
面談中も携帯を片手に、別の仕事や次の手配などをやりながら、伊那食品さんにとって、益にならないお客なのに嫌な顔どころか、楽しそうに、案内してくれるのです。
一通り案内してもらって、「それでは私はここで失礼します。茶房でコーヒーが入っておりますので、ゆっくりお過ごしください」
ということで、茶房で6人がコーヒーを飲むことになりました。
そこでまた驚きです。
茶房で接客してくださった方が、一生懸命自社の製品である寒天の説明をしてくれたのです。

この人たちは、自分たちがやっていることに誇りと自信を持っていることが伝わってくるのです。
その後かんてんぱぱショップ、そば処栃の木と立ち寄らせていただきましたが、それぞれ私たちが喜んでしまうような一言声を掛けてくれるのです。
下手な喫茶店や、遊園地よりずっと気持ちがいいんです。
また、そば処の厨房で社員さん同士が話しているのが漏れ聞こえてきました。それがとても和やかで、心にゆとりをもって仕事をしているように感じられたのです.。
設備のいい会社や待遇のいい会社を、今までも見てきたことがありますが、これほど働いてみたいなぁ〜と思った会社は初めてです。もう一度是非行ってみたいそんな会社でした。

塚越会長への感謝とお礼のメッセージ

塚越会長、ありがとうございました。
最も心に残った言葉として、「当たり前の事を議論する余地はない・お客様満足、仕入先を大切にする、社員を大切にする、地域に役立つ、会社を綺麗にする、省エネをする。などの事はやって当たり前の事である。
しかし今は、これらの当たり前の事ができない会社が多く、 そんな社会になっている。
だから私は、「これら当たり前の事が、平松らしい考え方とやり方でできる会社を 目指します。」ありがとうございました。
平松産業株式会社 平松俊範

今回の伊那食品工業様への企業訪問ありがとうございました。

本当に素晴らしい二日となりました。行き帰りの往復の車の中での、平松さん、堀さん、長谷川さんのお話。それぞれの方の経営の話、社長、会社の悩み、夢を聞かせて頂きました。
平松さんの言われるとおり同友会の人は、本音で話す。とても良い勉強になりました。
そして伊那食品工業様の塚越会長のお話をお聞きして感謝しております。会長が語られた、

二宮尊徳の遠くをはかるものは富近くをはかる者貧す
社長も社員も会社もこの考え方で生きていかなければと痛感いたしました。
当たり前の事を当たり前にやる本当の難しさ、徹底して掃除、社会貢献、感動させて頂いたお話がいくつもありました。
「まずもうけやなだめだね」この一言が深く心に残っております。
我が社も伊那食品様のような会社を目標にし、頑張ります。
釜Q花 電機  伊藤 俊博
昨日は、伊那食品工業の塚越会長とお会いし、改めて感動し大変感謝いたしました。
改めて会社経営は、社長の行動次第でよくなるんだなと実感しました。
当たり前の事を身につける習慣が出来ていない。ここの所も改めて関心させられました。
私にとって社長になって1年5ヶ月が過ぎ私の思いをパートナー(社員さん)に浸透するなんてまだまだです。
ただ強く思い(夢に向けて)実行する事で、実現できるんだなと思いました。
私の場合は、まずは地域の方に喜んで頂ける本当に感動するおいしい麺づくりに徹底し信者づくりをして行きたいと強く思いました。
その為には会社に蓄えが出来て、スーパーをやめて(2ヶ月前)良かったと言えるように、パートナー(社員さん)づくりと研究開発に売上の1割、人材にかけれる企業を目指していきたいです。
今回伊那食品さんにお邪魔して、勇気と感動と掃除の大切さを教えていただきました。
本当にありがとうございました。心より笑顔で感謝いたします。私は、いつもワクワクして楽しく仕事をしています。
株式会社 堀製麺 堀 哲 次

伊勢蒲鉾の若松屋 美濃松謙です。
お忙しい中貴重なお時間をいただきまして誠にありがとうございました。
御社に着いた瞬間から、本当に気持ちいい気分になりました。
環境は、まさに人間が作るものなんだということが、実体験できました。 塚越会長様によって、携わる全ての人々が幸せになり、またその人が 家庭に幸せを運び、また家族が町に幸せを運ぶ。 そんな幸せの連鎖を感じました。

帰りにガソリンスタンドに立ち寄りましたが、ここでも本当にいい接客を 受けることができました。
これは、まさに塚越会長の幸せの連鎖に違いないと思っています。同じ、会社経営をさせていただいているものとして、自らの不甲斐なさに悔しい思いをしています。
だけど、山の頂上の気持ちのよさを塚越会長によって教えていただきましたので、知ってしまった以上なんとかそこまで、登って行きます。
まずは、しっかり儲けてじっくり登っていきます。
いい会社づくりに励みます。
感謝 合掌 
有限会社 若松屋  専務取締役 美濃松謙 

 初冬の12月3日4日と先輩経営者の方々のお誘いに、何気もなく「参加します。」と答えて伊那食品工業様への訪問は実現しました。
私にとっては期せずして頂けたご縁でしたが、今感想を書く段に成って「偶然」でなく「必然」であった事のように思える(勝手ながら)訪問になりました。
売上140億円、従業員数400名を中小企業と称される塚越会長にお会いできた事は、自分の心中にある迷いを些細なことと解決してしまえる体験に成りました。
お優しい笑顔の中にも眼光鋭い黒目で思いに任せてお話頂く内容は、私達の胸の内を承知頂いてのお話かと思うばかりでした。

「物事には表裏が在る」とのお話、「従業員は家族同様だよ」とお教え頂いたこと等々は筆舌に尽くしがたく、訪問した者のみの褒美と勝手に思っています。
世に惑わされず、これからを歩めた時にまたお会いしたいお人に知り合えた喜びを、桂小葉の窓越しに「こなら」の木落ち葉を眺めながらのひと時と共に心に刻む体験でした。
きっかけを頂いた先輩皆様とこの体験を共有できた事に感謝しながら、塚越会長様や秘書の宮下様皆様のお心に触れた事忘れえぬ体験と成った事をここに一言に言葉と共に書き留めます。
私にとっての「一期一会」の体験でした。
長谷川シャッター工業 長谷川達智

計画的に、いい会社をつくりましょう

遠くをはかる者は富み
近くをはかる者は貧す
それ遠きをはかる者は百年のために杉苗を植う。
まして春まきて秋実る物においてをや。
故に富有なり。
近くをはかる者は
春植えて秋実る物をも尚遠しとして植えず
唯眼前の利に迷うてまかずして取り
植えずして刈り取ることのみ眼につく。
故に貧窮す。
二宮尊徳翁

塚越会長との面談を終えて、もっともっと上をそして遠くを目指さなければならないと痛感しました。
会長は、会議室の窓から見渡せる木を見て、
「50年後のこの風景を想像してご覧なさい。
太くなっているぞ。
50年後もう私はいないかもしれないが、そういうことを考えるのがいいんだ。
楽しくなくっちゃいけないよ。」
とおっしゃってくれました。
皆さん、一緒に遠くをはかりませんか?
それには順序があります。
まず儲けて、その仕組みを作り、社員さんと一緒に楽しく、いい会社をつくりましょう。
計画にまとめましょう。方向性をしっかりする作業です。
良い経営計画書を作るには、その前に準備が必要です。
2月にセミナーを開きます。
事前に勉強したい方は、経営計画それ自体の計画の教材をどうぞ。
(詳しくは同封のパンフレットをご覧ください。)

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