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メンター通信 第17号

発行日2005.5.25

今月のトピックス


今月号の記事は、四つです。

  1. 何をどう変えれば下請けから脱皮できるのか
    アマチュア無線アイコムの例
  1. 9万2584人に聞きました。泊まってよかった宿
    大石屋増田社長講演より
  1. 退職金制度の見直しノウハウ・ドゥハウ@
    社会保険労務士 水谷直樹氏
  1. ヤクルトレディーの営業戦略

読むのが大変かもしれませんがお昼休みの一〇分で読めるようになっていますので、最後までお読みください。
尚ニュースレターの不要な方はお手数ですが、ご一報ください。

何をどう変えれば下請けから脱皮できるのか

独立起業をするのにソフトウェア業界は非常に簡単にできてしまいます。プログラムを作ることができれば後は仕事さえ貰えれば生計が成り立つからです。下請けに徹していれば、お金もあまり必要なく、営業力もほとんど要らないわけです。
業界の違いはあるにせよ、独立起業のパターンとしては多いのではないでしょうか。
ソフトウェアの開発をしていた頃、あのバブル崩壊がありました。
元請も厳しく仕事を徐々に減らしていくしかなく会社によっては特定の一社に依存していたため倒産を余儀なくされた会社もありました。「下請けからの脱皮」これは下請け企業からすれば単なる夢だけではなく、自社を守る上でも達成したいことです。

アマチュア無線の業界にアイコムという企業があります。
前身は、井上電機製作所といい最初は低周波治療器の下請けからスターとしています。電子医療機が物理治療法に変わり仕事がなくなってきたころ、早川電機(現シャープ)の仕事を始めました。
その後、トランシーバーでヒットを飛ばすことになります。

昭和四二年頃から大手企業の下請けの仕事から離れアマチュア無線一本に絞り込んでいくのですが、ここに下請けから脱皮する二つのヒントがことがあります。
当時のアマチュア無線市場はトリオ(現ケンウッド)と八重洲無線が力を持っていた。
しかし井上電機(後のアイコム)も自信がなかったのです。
そこで東京・大阪の有力電機店をパイロットショップとして商品を集中させ、四〇%のシェアが取れたら踏みとどまると決めました。
この四〇%という数値は、市場占有率のスーパー強者四二%と酷似しています。
一つ目のポイントはボーダーラインを決めたということです。
武田製薬は、日本で一位の製薬会社ですが、リストラをするそうです。一位が取れない事業を撤退するというラインを引いているのです。
大手に勝てるという根拠を井上社長は、このように語っています。
「トリオはオーディオが中心の会社であり技術者でも中心の人間はオーディオの開発に携わっている。大手でもアマチュア無線に携わる人はせいぜい一〇人くらい。それに対してこちらは一五〜二〇人の技術者を投入できる。」
二つ目のポイントは、勝てるだけの戦術力を投入しているということです。
必勝の数値。三年で一・七倍、五年で一・三倍なぜかこの数値も酷似しています。

必勝の数値 2.83
1年で逆転は、相手の3倍
3年で逆転は、相手の1.7倍
5年で逆転は、相手の1.3倍
の戦術力を要する。この逆数が必敗の数値

下請けという立場から脱出するためには、

  1. 仕事に中から得意なものを見つける。
  2. その市場の競争相手の情報を、調べ戦力を分析する。

(本気で参入していない市場は特によい。)

  1. 競争相手以上の戦術力を投入する。

理論的にも、勝てる見込みがないと駄目ということでしょうか。
(参考文献 小さな世界一企業 日本能率協会)

9万2584人に聞きました。泊まってよかった宿


『口コミの評判通り、とてもきれいな宿でした。大女将はじめ従業員の皆さんの接客が押し付けがましくなく、あくまで自然体なのが快かったです。三歳の娘も仲居さんが好きになったようで、翌日違う宿に泊まったら「旅館のおばちゃんはどこ?」と一生懸命さがしていました。貸切風呂も家族で使うのには十分な広さがあり、接客・施設・清潔度は満点だと思います。私は基本的に一度行った旅館をリピートせずに、次は違う宿にいってみようという主義ですが、大石屋さんはまたいつか必ず来ようと思いました。』
(じゃらん口コミサイトより)
この文章は「じゃらん」という旅の情報誌のホームページに掲載されていた内容です。
この口コミサイトというのは、怖いサイトで私の知っている慮下院では次のようなものもありました。
「期待外れ。布団は引きっぱなしゴミは落ちているし・・・」
また、投稿さえされないところもあります。
前述の口コミの評判通りの宿というのは三重県の二見にある旅館大石屋さんのことです。
しかも二年連続で泊まってよかった宿三六選に選ばれています。
先月二六日に桑名シティホテルにて、中小企業家同友会の総会があり、その分科会で幸運にも大石屋増田社長の話を聞くことが出来ました。
旅行と一言で言っても、昔と今では形態が違います。
昭和三十年台は団体旅行、特に鉄道がメインだったようです。
昭和四十年代になり鉄道からバスへ、宴会とお土産が主目的になっていた時代です。

昭和六十年バブル期にはカラオケと招待旅行、そしてバブル崩壊後は格安商品へと向います。
特にバス旅行の最盛期には三六五台のバスを受け入れていたそうです。そのバスの台数を一五台カットするという方針が出て増田社長は危機感を感じたそうです。
旅行の形態が団体から個人へと移る様が良くわります。
さて旅行業界とご自分の業界を重ね合わせると如何でしょうか。
バブル崩壊までは、需要が単一的で量が多い従って自社の仕事を能率的にこなすことで利益性が確保できた時代です。
また営業方法も、旅行代理店などを介した間接販売を取った方が多くの仕事を受けられます。
これが今までの成功パターンでした。
平成十三年秋、大石屋増田社長はある決意の元大きく方向変換を行います。
それは「自分の人生に悔いの無い生き方をしよう」ということです。
このときのリニューアルと同時に、自分を厳しく評価してもらうためインターネットの予約とクチコミ情報のサイトへ登録するのです。
そして様々な需要が生まれ、それに一つ一つ対応していくのですがその過程で、すべてのお客様に満足して貰うのは限界がある。
そう考えたそうです。
ここで増田社長の取った方法が、
なんと「客層を絞り込む」です。お客さんをこちらから選んだわけです。
例えば、カラオケは利用できない。禁煙ルームを設ける。女性の一人旅を受け入れる。割引をしない定価販売など、おおよそ今までのいままでの旅館業界では考えられない対策を打ってきます。
その中で三十代女性という自社にあった客層を見つけ出していくのです。
以下講演で話された内容を竹田ランチェスターに照らし合わせていきましょう。
お客様を選ぶ
増田社長は、次のようにコメントしています。
「間口を広げ様々なお客様の層を取り込むことは実際の顧客満足にはつながらない。」
軍隊に「目標の規模に手段を合わせるのではなく、手段の規模に目標の規模に合わせよ」という格言があります。
自社の組織、資金によって一位を作れる目標を考えると自ずと間口を広げすぎるのは命取りと解ってきます。
得意な分野に特化する。
個人客、家族、女性が中心に据えられています。
記念日やお祝い事などの目的がはっきり描け、しかもお客様への対応方法も思い描きやすいところを中心においています。
おそらく自分自身や社員の方が発想しやすいからだと思われます。

余談ですが、丸顔でぽっちゃり型は女性や子供向けの商売に向いているそうです。
増田社長は学生時代相撲部だったそうで、うなずけます。
これは弱者の戦略で言う「弱者は強いものをより強くする。」です。
エンドユーザーが商品を購買する
商品・サービスを購入する決定権は一〇〇%お客さんが持っています。買ってもらうには競争相手以上に気に入られ、好かれて、忘れられないようにする必要があります。
従ってお客さんに近づいて物事を考えるとうまく行きます。
直接販売をすることで、メールのやり取りなどが増えエンドユーザーと接近しています。
よりお客さんの気持ちが解かるようになっています。
これは、弱者の接近戦ですね。
女性・クチコミが評価する
お客中心の経営に転換しようとしますと、まず最初に問題になるのが社長自身の問題です。お客様活動を仕事と認められないという点です。時間があったらやるぐらいにしか考えていないことです。
これは社長自身の勉強不足というか。営業の苦手な経営者に多くみられます。
次に問題になってくるのがお客様活動の効果性です。
お客様活動を続けていたとしても全く反応がなければ活動自体の効果性を疑いだし継続が難しくなります。
そこで最も有効な手段がお客様の声です。
社長の言うことは聞きませんが、お客さんの言うことはよく聞きます。特にお客さんの喜びの声は格別です。
社員がもっと喜ばせてやろうと思うようになったらひと安心です。
こうなってくるとお客様を味方と考えるようになります。
これも弱者型の戦略です。
今回講演を聞かさせて頂き増田社長の戦略実力の高さと決断力には本当に敬服いたします。
いつの日か大石屋さんに家族で泊まれるようになりたいものです。
記事を載せるにあたり快く承諾して頂いた増田社長にこの場をお借りしてお礼申し上げます。
有り難うございました。

退職金制度の見直しノウハウ・ドゥハウ@

私は途中で会社を変わることが多く退職金とは程遠い生活を送っていますが、払う側から計算すると物凄い金額になるんですね。

2007年には団塊の世代が定年退職の時期に来るそうですね。
ではどう対処したらいいのか。
これから3回に渡り、社会保険労務士の水谷直樹氏に登場いただき退職金について投稿をお願いしました。ではどうぞ!
今月から三号にわたり、専門にしている退職金の見直し方法に連載をします。

これを読めば、退職金の見直し手順が一通り分かります。
の難しいお話を書いても、つまらないと思いますので、
実際に私が行った退職金見直しの一事例を紹介しつつポイントを押さえていきます。
一回目は現状分析。
今回紹介する退職金見直しを行った企業は、三重県北勢地域の株式会社S、社員数三十八人です。
当事務所の無料就業規則診断がきっかけでした。就業規則が現行法にあっているか、会社を守れるかを診断する無料診断に応募してきていただきました。就業規則と諸規定を預かり、診断をしていく中で退職金規程に問題点が見つかりました。
退職金の計算方法が、基本給×勤続年数になっていたのです。
この計算方法は、中小企業のほとんどが取り入れているのですが、大きな問題があります。
@在籍するだけで自動的に増える。
A勤続年数が長ければ長いほど、増える率は高くなる。
B必要となる退職金がいくらになるか把握しにくい。
このようなことから、株式会社Sには、無料退職金診断をおすすめしました。
退職金診断の結果、株式会社Sでは、新卒から定年まで勤めると、一人当り約一四〇〇万円が必要となり、今後一〇年間の定年退職予定者は六人で、退職金額を試算してみると、約四八〇〇万円も必要だということが分かりました。これを報告させていただくと、社長は本当に驚いていました。
就業規則などで定められた退職金は賃金と同じです。お金がないから払えないではすまないのです。幸い株式会社Sでは、数年前から全社員を対象に退職金積み立てを行っていたため、それを取り崩すことで対応できることが分かりました。

このように無料診断を受けることで、今後必要となる退職金の金額が分かります。団塊の世代が定年退職を迎え始める2007年はすぐそこです。今すぐに試算してみることを強くおすすめします。

詳しい方法は、水谷直樹事務所事務所までお問い合わせください。また、無料就業規則診断、無料退職金診断も随時受付られています。
◆連絡先:水谷直樹事務所(0593-31-8203)まで

ヤクルトレディーの営業戦略

先日事務所で仕事をしておりますとピンポーンとインターホンが鳴りました。
あいにく家内は不在でしたので、私は二階から仕方なしに玄関まで下りていきました。
その間私は、重大な決意を持って降りたのでした。
「考えている途中やのに、セールスやったら絶対に断ってやる」

すると玄関越しに、ヤクルトレディーが何やら手に持って立っていました。
やっぱりセールスや。断ってやる。
嫌そうにハイハイと答えればたいがいは帰ってくれるので、このパターンやな。
またそのおばさんがとても早口で、機関銃のようにしゃべりだしたのです。何を言ったのか良く理解できませんでしたが
たった一つだけ聞き取れたことがあります。
それは、
「私たちは買ってくれと言ってるのではありません」この言葉です。
そこでなかなかやるなぁ。ちょっと話を聞いたろか。
という気持ちになりました。
手短に彼女は話を終え、お試しセットをくれました。
ヤクルト四〇〇と市販されてないというプレティオという商品を一本ずつ置いてきました。
後でチラシを良く見ますとお試しセットの注文書と製品紹介のパンフレットでした。
そこにはこの地区は担当○○が、毎週火曜日にお伺いします。
とあります。

私はこれを見て、実に惜しいことをしてしまっていると感じました。
アプローチとしては、非常にうまくやっています。
最初は売りを出さないことです。
しかし残念なことは、担当者はその重要性を理解していないようで、相手にしっかりと伝えるということが訓練されていませんでした。
例えばこの場合、こんな教育が考えられます。
切り出し文句を次のように決めます。
「こんにちは、ヤクルトでございます。本日は売り込みではありません。ご挨拶に伺いました。お忙しいところ申し訳ありません。一分だけお時間を下さい。」
次に、これを何度もゆっくりと練習をします。お客さんのところへ行って落ち着いて話ができるまで訓練するのです。
それと同時に売りを出さないことがどういう意味を持つのかも教育します。頭で解らせるということですね。
話し終わるまでの時間も決めた方がより効果が上がります。
さてもう一つの問題点ですが、何回の訪問で結果を出そうとしているのかが決められていないことです。
一回で人間関係を作り、次から注文をもらえる人は多くて百人にひとりです。
そこで何回で人間関係を築くかを決めておきます。
仮に三回としましょう。
三回ということは、後二回訪問する必要があるわけですね。
当然二回目以降も訪問の理由がいります。
同じ挨拶というわけにはいきません。
そこで、初回訪問のときに仕掛けをしておくのです。
簡単なアンケートでもいいです。試供品の感想を伺いに来ますでも結構です。
そして二回目の訪問時に、どなたが召し上がったか。
どんな食生活であるかなど今後商品を薦めるにあたり必要な情報を掴んできます。

これも何を聞いてくるのか。
どうやって質問するのか。を決めておく必要があります。
当然訓練も必要です。
三回目以降はこの地区だけでアンケート集計をし、その結果をお知らせすることなどの理由をつけ訪問をします。当然目的も決めておきます。
人間関係を築いて相手の関心が解り、ニーズがあれば商品説明の段階に移ります。
初回訪問だけで放置しておいてお客さんが欲しいときに注文してくるというのは、いろいろな商品からお客さんが選択するという点から確率の戦いになり、強者の戦略です。
ヤクルトが戦略的一位の条件を満たしているとするとここまでする必要はありません。が一〇〇〇社中九九五社はこの戦略は誤りで人間関係を中心にした接近戦で望むべきです。
ここまでお伝えしたことを、聞きますとそんなチマチマしたこと出来ますか。優秀な人なら一回で取引をしてきますよ。もっと効率よくしないと駄目です。と反論が来そうですね。
こういった営業の仕組みを実行するとベテランはバカにして実行を拒み業績は上がりません。
逆に経験年数の少ないパートや新人などは早く業績を上げます。
質が低い人でも、結果を出せるようにするのが将軍、つまり社長の仕事ではないでしょうか。
工場や社内はよく見えますから、無駄をなくすことを徹底しますが、営業はできないと諦めていませんか。
一度見直してみては如何ですか。

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